第5話:これからは、私の話も聞いてください。


みなさん、こんにちは! 心理カウンセラーの「らいおんハートおじさん」です。
あなたの郵便受けを、今日ものぞいてみました。
おはようございます。
私は、あなたのこころです。
今日もいつものように、
あなたの家の郵便受けを、そっとのぞいてみました。
でも……
今日は何も入っていません。
速達もありません。
封筒もありません。
少しだけ、不思議に思いましたか。
大丈夫。
今日は、お手紙を届けに来たわけではないんです。
今日は、
あなたに伝えたい最後のお願いがあって、
こうして会いに来ました。
あなたは、少しずつ変わり始めています。
覚えていますか。
最初にお手紙を書いた日。
私は「気づいてほしい。」
その一心で、
勇気を出して速達を送りました。
毎日頑張りすぎているあなたへ。
「少し休んでね。」
そう伝えたかったのです。
あの日のあなたは、
忙しくて、
自分の気持ちを後回しにしていました。
でも今は、少しだけ違います。
疲れた日に、
「今日は疲れたな。」
と思えるようになりました。
ため息をついたとき、
「無理していたんだな。」
と気づける日もありました。
誰かを優先しながらも、
ほんの少しだけ、
「私はどうしたいかな。」
と考えられる瞬間も増えてきました。
その小さな変化を、
私は誰よりも嬉しく思っています。

私は、ずっとあなたを変えたかったわけではありません。
もしかすると、
あなたは勘違いしているかもしれません。
私は、
もっと強い人になってほしかったわけではありません。
もっと前向きになってほしかったわけでもありません。
もっと自分を優先してほしかったわけでもありません。
私が願っていたのは、
たった一つだけ。
私の声を、忘れないでいてほしかった。
それだけです。
嬉しい日は、一緒に笑う。
悲しい日は、一緒に泣く。
疲れた日は、
「今日はここまでにしよう。」
そう話しかける。
私は、そんな毎日を、
あなたと過ごしたかっただけなのです。
私は、あなたの中にいます。
これまで私は、
お手紙を書きました。
眠っているあなたを心配しました。
「大丈夫」という言葉に耳を傾けました。
一緒にアルバムも開きました。
でも、本当は、
どこか遠くにいたわけではありません。
私は、
ずっとあなたの中にいました。
嬉しいときに胸が温かくなるのも、
悲しいときに涙があふれるのも、
「なんだか今日は休みたいな。」
そう思うのも、全部、
私があなたに話しかけていた言葉です。
だから、これからは、
郵便受けをのぞかなくても大丈夫。
私は、今日も明日も、
あなたのすぐそばにいます。

あなたにお願いがあります。
最後に、
一つだけお願いがあります。
これまであなたは、
たくさんの人の話を聞いてきましたね。
家族の話。
友達の話。
職場の人の話。
困っている誰かの話。
その優しさは、これからも、
あなたらしい宝物です。
だから、どうかその輪の中に、
もう一人だけ加えてください。
それは、私です。
疲れた日の、
「少し休もう。」
嬉しい日の、
「よかったね。」
悲しい日の、
「泣いてもいいよ。」
そんな小さな声にも、
耳を傾けてあげてください。
それだけで、
私はとても嬉しいのです。
これからは、お手紙がなくても大丈夫。
ここまで、
私のお話を聞いてくださって、
本当にありがとうございました。
最初は、
速達でしか届かなかった私の声。
忙しい毎日の中では、
大きな声を出さないと、
あなたに気づいてもらえなかったからです。
だから、
涙になった日もありました。
眠れない夜もありました。
ため息になった日もありました。
「大丈夫。」という言葉の奥で、
私は何度も、
「本当は違うよね。」
と話しかけていました。
でも今は、
もう急がなくても大丈夫です。
きっとあなたは、
私が小さな声で話しかけても、
少しだけ立ち止まって、
耳を傾けてくれるから。

あなたは、何も変わらなくていい。
もしかすると、あなたは、
「もっと自分を優先しなくちゃ。」
そう思っているかもしれません。
でも、
私はそんなことをお願いしたいわけではありません。
あなたは、これまで通り、
優しいあなたでいてください。
誰かを大切にすることも、
人のために頑張ることも、
そのままでいいのです。
ただ一つだけ、お願いがあります。
その優しさを、ほんの少しだけ、
あなた自身にも向けてあげてください。
家族にかける
「無理しないでね。」
という言葉を、自分にも。
友達にかける
「頑張ったね。」
という言葉を、自分にも。
その少しだけで、
私は十分嬉しいのです。
あなたは、もう一人ではありません。
これから先も、
疲れる日はあります。
悲しい出来事もあります。
「また頑張りすぎちゃったな。」
そんな日もあるでしょう。
でも、
そのたびに思い出してください。
あなたの中には、私がいます。
「今日は休もう。」
「今日は泣いてもいいよ。」
「今日もよく頑張ったね。」
そんな言葉を、私はこれからも、
毎日あなたに話しかけます。
だから、
どうか聞き逃さないでくださいね。

らいおんハートおじさんから、あなたへ
ここまで、このシリーズを読んでくださり、本当にありがとうございました。
この「こころさんからのお手紙」は、
特別な人のために書いたものではありません。
毎日、
家族のために頑張る人。
仕事で責任を背負っている人。
誰かを支え続けている人。
そして、
「私のことは後でいい。」
そう思いながら生きてきた人へ書いたお手紙です。
カウンセリングをしていると、
私はよく思います。
人は、
答えを知らないから苦しいのではありません。
本当は、
自分のこころの声を聞く時間がないほど、
一生懸命生きてきたから苦しいのです。
だから私は、
あなたを変えたいとは思っていません。
もっと強くなってほしいとも思っていません。
ただ、これから先、
人生のどこかで迷ったとき、
ふとこのシリーズを思い出していただけたら嬉しいです。
そして、
静かに自分へ問いかけてみてください。
「今、こころは何て言っているかな。」
その問いかけができるようになったなら、
もう、このシリーズの役目は終わりです。
あなたのこころは、
これからもずっと、
あなたの一番の味方です。
PS
追伸
今日からは、
私がお手紙を書くことはありません。
でも、
いなくなるわけではありません。
朝のコーヒーを飲みながら。
空を見上げたとき。
好きな音楽を聴いているとき。
疲れてソファに座ったとき。
私は、
今までと変わらず、
あなたの隣にいます。
だから、これからは、
私の話も聞いてください。
嬉しい日も。
悲しい日も。
何気ない日も。
ほんの少しだけ、
耳を傾けてもらえたら、
私はとても幸せです。
そして、もしまた、
頑張りすぎてしまった日があったら、
このお手紙を読み返してください。
そのとき私は、きっと変わらず、
あなたにこう話しかけるでしょう。
「おかえり。」
ありがとう。
これからも、
あなたらしい毎日が続きますように。
あなたのこころより


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