第2話:あなたが眠ったあと、こころは泣いていました。


みなさん、こんにちは! 心理カウンセラーの「らいおんハートおじさん」です。
あなたの「こころ」から、また速達が届いています
前回のお手紙を読んでくださり、
ありがとうございました。
もし、あの日。
少しだけでも自分のこころに
耳を傾ける時間があったのなら、私はとても嬉しいです。
今日は、その続きのお話です。
郵便受けには、
また一通の手紙が届いていました。
差出人は、
もちろん変わりません。
あなたの「こころ」
封筒を開くと、
最初の一文には、
こんな言葉が書かれていました。
「あなたが眠ったあと、私は少し泣いていました。」
驚かせてしまったでしょうか。
でも安心してください。
今日は悲しいお話ではありません。
あなたを責めるお話でもありません。
ただ、
どうしても知ってほしかったことを、少しだけお話しします。
あなたが眠るころ、私は起きています
こんにちは
。
私は、あなたのこころです。
昼間は、
あなたと一緒に忙しく過ごしています。
朝は慌ただしく目を覚まし、
「今日も頑張ろう。」
そんなあなたの背中を、
私はそっと押しています。
仕事では、
誰かのために笑顔をつくる
あなたを見ています。
家では、
疲れているのに
夕飯の支度をしたり、
洗濯物をたたんだり、
「まだ終わっていないことはないかな。」
と家の中を見回すあなたを見ています。
本当は座りたいのに。
本当は何もしない時間がほしいのに。
あなたはいつも、
「もう少しだけ。」
と言いながら動き続けます。
私は、
その姿を毎日見ています。
そして夜。
ようやく一日が終わります。
「今日も何とか終わった。」
そうつぶやきながら布団に入り、
数分もしないうちに眠ってしまうあなた。
その寝顔を見るたびに、
私は少しだけ胸が締めつけられるのです。

今日も、本当によく頑張りましたね
あなたは知っていますか。
眠る前に
「今日は何ができなかったかな。」
そんなことを考えながら
眠ってしまう日があることを。
「あれもできなかった。」
「もっとちゃんとやればよかった。」
「明日は頑張らなきゃ。」
そうやって、
一日を終えていませんか。
でも私は、
少し不思議なんです。
どうしてあなたは、
できなかったことばかり数えるのでしょう。
今日、朝起きたこと。
仕事へ行ったこと。
誰かに「ありがとう」と言われたこと。
家族のご飯を作ったこと。
疲れていても洗濯物を片づけたこと。
笑えない日だったとしても、
一日をちゃんと生き抜いたこと。
そんなことは、
まるで当たり前だったように通り過ぎてしまいます。
だから私は、
眠るあなたのそばで、
そっとつぶやいています。
「今日も、本当によく頑張ったね。」
でも、その声は、
まだあなたには届いていないみたいです。
私が泣いていた理由
「こころが泣く」なんて聞くと、
何か悲しい出来事があったように思うかもしれません。
でも違うんです。
私は、
あなたがつらい思いをしたから
泣いたのではありません。
失敗したからでもありません。
誰かに傷つけられたからでもありません。
私が涙をこぼしたのは、
あなたが、
自分にだけ優しくできなかった日を見ていたからです。
誰かが失敗したら、
「大丈夫だよ。」
そう言えるあなた。
家族が疲れていたら、
「今日はゆっくり休んで。」
そう言えるあなた。
友達が落ち込んでいたら、
一緒に話を聞いてあげるあなた。
なのに、
あなた自身が疲れている日は、
「まだ頑張れる。」
「私なんか、もっとやらなきゃ。」
そう言ってしまう。
私は、
そのたびに思っていました。
どうして、
一番大切なあなたには、
そんなに厳しいのでしょう。

本当は、一緒に笑いたいだけなんです
私は、
あなたに泣いてほしいわけではありません。
我慢をやめてほしいと
責めたいわけでもありません。
ただ、
あなたと一緒に
笑っていたいのです。
朝、窓を開けて、
「今日はいい天気だな。」
そう思えたら嬉しい。
淹れたてのコーヒーを飲んで、
「おいしい。」
そう感じられたら嬉しい。
季節の花を見て、
「きれいだね。」
そう思えたら嬉しい。
そんな小さな幸せを、
あなたと一緒に感じたい。
それが、私の願いなんです。
でも最近のあなたは、
幸せを感じる前に、
次にやることを考えています。
私はそれが、
少しだけ寂しかったのです。
こころからの優しいサイン
私は泣きながら、あなたを呼んでいました
あなたは、
覚えていますか。
理由もないのに涙があふれた日。
夜中に何度も目が覚めた日。
何でもない一言に、
心がチクリと痛んだ日。
いつもなら気にならないことなのに、
急にイライラしてしまった日。
朝起きても疲れが残っていて、
「ちゃんと寝たはずなのに…」
そう首をかしげた日。
私は、
そのたびに泣きながら、
あなたの名前を呼んでいました。
「ここにいるよ。」
「少しだけ立ち止まって。」
「もう十分頑張っているよ。」
でも、
あなたは忙しかったから。
その声は、
毎日の予定や、
やらなければいけないことに
紛れてしまいました。
だから私は、
涙という形で、
眠れない夜という形で、
疲れが抜けない毎日という形で、
何度も、何度も手紙を書いていたのです。

私は怒っていたわけではありません
誤解しないでくださいね。
私は一度も怒ったことはありません。
「どうして気づいてくれないの?」
そんなふうに責めたこともありません。
私は、
あなたを困らせたいわけではないのです。
ただ、
あなたがあまりにも頑張りすぎていたから。
心配だったのです。
だって、
あなたは本当に優しい人だから。
誰かが困っていると放っておけない。
「ありがとう。」
その一言が嬉しくて、
また頑張ってしまう。
そんなあなたを
私は大好きです。
だからこそ、
その優しさを、
ほんの少しだけ自分にも向けてあげてほしい。
それだけを願っていました。
今日からは、私も仲間に入れてください。
お願いがあります。
これからも、
家族を大切にしてください。
仕事も、
一生懸命でいてください。
友達にも、
その優しさを届けてください。
でも、
その輪の中に、
もう一人だけ加えてもらえませんか。
それは、
あなた自身です。
「今日は疲れたね。」
「よく頑張ったね。」
「今日は少し休もうか。」
そんな言葉を、
一番近くにいる自分へ届けてください。
私は、
その言葉を聞くたびに、
きっと嬉しくて笑ってしまいます。
そして、
もう泣かなくてもよくなると思うのです。

らいおんハートおじさんから、あなたへ
ここまで読んでくださって、
本当にありがとうございます。
今回の手紙を読んで、
「私のことみたい。」
そう感じた方もいるかもしれません。
私がカウンセリングでお会いする方の多くは、
とても真面目で、
責任感が強く、
周りを大切にする方ばかりです。
だからこそ、
自分のことは後回しになってしまいます。
そして、
こころは静かに、
小さなサインを送り始めます。
涙。
眠れない夜。
疲れが抜けない毎日。
焦りや、不安。
それは「弱いから」でも、
「心が壊れているから」でもありません。
あなたのこころが、
「少し休憩しよう。」
「一人で抱えなくても大丈夫だよ。」
そう優しく話しかけてくれているのかもしれません。
私はいつも思います。
人は、
もっと頑張ることで幸せになるのではなく、
安心できる場所があることで、また前を向けるのだと。
もし今、
「少し疲れたな。」
そう感じているなら、
どうか思い出してください。
あなたのこころは、
今日も、明日も、
これから先も、
ずっとあなたの味方です。
PS
追伸
今夜、眠る前に
一つだけお願いがあります。
今日できなかったことを数える代わりに、
今日頑張ったことを、一つだけ思い出してください。
朝、起きられたことでもいい。
誰かに笑顔を向けられたことでもいい。
ご飯を食べられたことでもいい。
どんなに小さなことでも、
私は拍手を送っています。
そして、
あなたにも拍手を送ってほしいのです。
それだけで、
私は安心して眠ることができます。
ありがとう。
また、お手紙を書きますね。
次は、
「あなたが『大丈夫』と言うたびに、私は少しだけ心配になります。」
そんなお話をしようと思います。
それまで、
どうか無理をしすぎないでくださいね。
あなたのこころより


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